YOKOGAWAは、環境や社会に関わる課題の解決そのものが我々の存在意義であると考え、「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」というYokogawa’s Purposeを制定しました。このYokogawa’s Purposeに基づきサステナビリティに関する貢献分野を明確にし、短期、中期、長期のサステナビリティ目標を設定して取り組んでいます。
2021年からスタートした中期経営計画「AG2023」において、貢献分野と目標を設定しました。前回の中期経営計画TF2020で設定したサステナビリティ目標は新目標に組み込まれています。
マテリアリティ分析に基づく貢献分野の設定
「社会・環境への影響」および「自社の価値創造や事業モデルへの影響」の両面における重要性をマテリアリティと定義しました。2022年7月に、初めてのサステナビリティ委員会を開催してマテリアリティ分析を実施し、重要性が高く、かつ自社が解決すべき課題(重点課題)とそれにより貢献する6つの分野はAG2023策定時から変更が無いことを確認しました。
マテリアリティ分析のプロセス
- 分析の対象は、「事業機会に関するアイテム」と「マネジメントに関するアイテム」とし、企業価値創造(および毀損防止)に向けた事業活動全般を網羅
- 「社会・環境への影響(社会軸)」および「自社の価値創造や事業モデルへの影響(事業軸)」の両面から個別アイテムのマテリアリティ(重要性)を評価し、注力領域を選定
- ステークホルダーの視点で注力領域の妥当性および網羅性をレビュー
- 選定した注力領域に基づき、解決すべき課題(重点課題)と貢献のテーマ(貢献分野)が適切であることを確認
6つの貢献分野と重点課題
貢献分野 | 重点課題 |
---|---|
カーボンニュートラルの達成 | GHG排出の抑制と、安価で信頼できる持続可能なエネルギーへの転換 |
企業や社会の効率化 | DXによる生産の効率化、自律化と資源・エネルギーの効率的利用 |
ライフサイクル最適と環境保全 | プラント資産の長期最適運用と環境負荷低減の両立 |
安全と健康の向上 | ライフイノベーションの推進とプラント、地域社会の安全向上 |
資源循環型エコシステムの創造 | バイオエコノミーや資源循環システムの確立 |
能力を発揮できる環境の実現 | 一人ひとりが尊重され平等であり活躍できる環境の整備 |
サステナビリティ目標
設定した重点課題に対し、2030年に向けた「社会インパクト指標」と2023年に向けた「事業活動指標」を定めました。社会・環境への貢献を示す「社会インパクト指標」は、「事業活動指標」を推進することで達成を目指します。
「事業活動指標」は、AG2023において社会へ貢献しながら成長を加速するために重要な活動に対して設定しており、それぞれ役員レベルの実行責任者が、目標達成のための活動をグループ内の各組織のメンバーに落とし込んでいます。指標と目標は、外部環境の変化に応じて適宜、見直していきます。
社会インパクト指標
6つの分野のSDGs貢献の重点課題に対し、社会的インパクトの観点で2030年に向けた指標と目標を下表のとおり設定しました。
貢献の分野 | 貢献するSDGs | 指 標 | FY30 (FY40) 目標 |
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カーボンニュートラルの達成 | お客様事業のCO2排出抑制量(FY18からの累計) | 10億 t-CO2 (内、50%以上は再生可能エネルギー、新技術による) |
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温室効果ガス排出量(Scope1,2)(基準年FY19) | FY30 50%削減 FY40 100%削減 |
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温室効果ガス排出量(Scope3*)(基準年FY19) *購入した製品/サービス(カテゴリー1)および販売した製品の使用(カテゴリー11)が対象 |
FY30 30%削減 | ||
企業や社会の効率化 | お客様の生産性効率化で創出された経済価値 | 2兆円 | |
ライフサイクル最適と環境保全 | 持続可能な操業に貢献している工場の数 | 2万工場 | |
安全と健康の向上 | 安全や健康に貢献している人数 | 1億人 | |
資源循環型エコシステムの創造 | 資源循環に貢献する新規ビジネス立ち上げの状況 | 複数の資源循環システムの確立 | |
能力を発揮できる環境の実現 | 社員のWell-beingを高めるエンゲージメント | 世界トップ集団と同レベル | |
変革に向けた人財育成・能力開発の実績 | フューチャースキルセット(新事業や新分野で活躍するためのスキル)の習得 | ||
ダイバーシティ・インクルージョンの達成度 | 女性管理職比率 20% 上位の意思決定層のダイバーシティ向上 |
事業活動指標
社会インパクト指標の達成に貢献する事業活動について、2023年向けた指標と目標を下表のとおり設定しました。
貢献の分野 | 注力領域 | 貢献するSDGs | 指 標 | FY23目標 |
---|---|---|---|---|
カーボンニュートラルの達成 | 再生可能エネルギーの発電支援 | お客様事業のCO2排出抑制量(FY18からの累計) | 5億 t-CO2 | |
再生可能エネルギーの輸送、貯蔵、活用支援 | 再生可能エネルギー向け計測器の売上高伸長率(基準年FY20) | 2.2倍 | ||
電池電極用厚さ計の出荷台数伸長率(基準年FY20) | 1.7倍 | |||
(自社)事業所とサプライチェーンのGHG削減 | 温室効果ガス排出量(Scope1,2)(基準年FY19) | 10%削減 | ||
温室効果ガス排出量(Scope3*)(基準年FY19) *購入した製品/サービス(カテゴリー1)および販売した製品の使用(カテゴリー11)が対象 |
10%削減 | |||
企業や社会の効率化 | スマートマニュファクチャリング事業、コンサルティング、ERP、MES、EMS | スマートマニュファクチャリング事業の受注高伸長率(基準年FY20) | 1.3倍 | |
医薬・食品バリューチェーンの最適化(MES, LIMS, EQMS) | 医薬・食品バリューチェーン最適化支援事業の受注高伸長率(基準年FY20) | 1.3倍 | ||
(自社)オペレーション最適化 | 業務自動化による削減時間 (基準年FY18) | 300,000時間削減 | ||
社内業務プロセスのデジタル化率 | 63% | |||
ライフサイクル最適と環境保全 | プラントの長期最適運用支援 | ライフサイクルサポート契約プラント数 | 6,000プラント | |
無線設備監視センサ受注台数伸長率(基準年FY20) | 3.2倍 | |||
設備保全管理システム契約ライセンス数 | 8,500ライセンス | |||
プラントの環境負荷低減支援 | 環境分析計受注高伸長率(基準年FY20) | 1.3倍 | ||
(自社)事業所における環境保全(水、生物多様性) | 事業所の取水量(基準年FY19) | 4%削減 | ||
安全と健康の向上 | プラントと働く人の安全、保安支援 | |
安全計装システム提供数 | 157システム |
プラント運転訓練シミュレータ提供システム数 | 30システム | |||
ライフサイエンス | 創薬開発支援製品の売上高伸長率(基準年FY20) | 2.5倍 | ||
ライフライン・上下水道支援 | 水環境改善ソリューション提供数(日本を除く) | 90ソリューション | ||
(自社)労働安全衛生、人権尊重 | ISO45001認証取得実績 | 主要拠点での取得(12拠点) | ||
資源循環型エコシステムの創造 | 高機能化学やバイオケミカル産業への貢献、リサイクルビジネス効率化支援 | 高機能・高付加価値、精密化学品向けの受注高伸長率(基準年FY20) | 1.6倍 | |
能力を発揮できる環境の実現 | (自社)社員のWell-being とエンゲージメント | エンゲージメントサーベイスコア | 81% | |
(自社)変革にむけた人財育成と能力開発 | 1人あたりのトレーニング時間 | 1人あたり年40時間 | ||
(自社)ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 | 女性管理職比率 | 12.5% | ||
障害者雇用率(日本) | 2.5% |