横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

焼結炉のO2濃度測定-漏風を検知することにより、コストの低減化と製造品質の向上を

概要

従来、焼結炉の漏風に対しては、設備の定期的なメンテナンス以外にほどんど有効な防止対策がありませんでした。コスト削減が求められる中で漏風によるエネルギー損失も注目され、今日では漏風を検知して速やかに設備を修復する等の手段が取られています。
漏風検知には酸素濃度計が使用されますが、採用された「ZR802G ジルコニア式酸素濃 度計」は、応答速度・安定性・保守性の良さで好評を得ています。また、実績によって、多塵・多湿で圧力も-5 kPa程度と厳しい条件の測定ガス(DL式焼結炉などが該当)にも ZR22G/ZR802Gを適用できることが再確認されました。

 

お客様の期待

  • 焼結炉の漏風を検知したい
  • ランニングコストを削減したい
  • 設備更新のイニシャルコストをミニマムに抑えたい

 

プロセス概略

焼結設備は,高炉の原料となる焼結鉱を作る設備です。粉末鉱石に副原料の粉末コークスなどを混合して焼き固め、粒状に塊状化します。近年の高炉は大型のう、操業の高度化・高能率化が要求されていることから焼結鉱の品質(粒度)管理は厳しくなっています。 焼結炉の漏風対策は省エネルギーの面だけでなく、適正な運転によって焼結鉱の品質を高 めることにおいても重要な事項になっています。

焼結炉排ガスの概略フロー

 

YOKOGAWA のソリューション

フィールドデータ

プロセス条件

測定点:ウィンドボックスの場合
温度:200℃以下
圧力:-5 ~ 0 kPa
成分:CO2 :約 10%、CO:約 2%、O2 :8 ~ 16%、N2 :約 76%、SO2 :約 600 ppm
湿度:4 ~ 17%(水滴の落下あり)
ダスト :1 ~ 5 g/Nm3 (焼結粉、焼結塊:Φ30 mm 前後)
流速:約 2 ~ 5 m/s

測定システム

検出器:ZR22G-100-C-K-P- □ - □ -J -A/C/CV
プローブプロテクタ:ZO21R-L-100-J *B
変換器:ZR802G-P-□-N-N /□
自動校正ユニット:ZR40H- □ - □ -A
ゼロガス封入ボンベ:G7001ZC
ボンベ用減圧弁:G7013XF

ユーティリティ

定格電圧:100 ~ 240 V AC
定格周波数:50/60 Hz
消費電力:通常 330 VA、最大 800 VA
計装用空気:圧力;300 ~ 700 kPa、消費量;約1 L/min

システムイメージ

留意点

  • 測定ガスには焼結粉が多量に含まれているので、プローブプロテクタを使用して検出器を保護する必要があります。
  • 測定ガスに CO が含まれている場合には、補正などに関しての打合せが必要となります。
  • 検出器は、プローブ先端が測定ガスの流れの上流側を向かないように取り付けます。なお、最も望ましい取付け姿勢はプローブ部先端が垂直下方向きとなるようにすることですが、それが不可の場合は、水平方向までの任意の角度での取付けが許容されます。

 

業種

  • 鉄鋼

    鉄鋼業界のお客さまは、世界的な過剰供給構造となっている鉄鋼市場において、コスト競争力強化のために生産拠点の集約化や集約先の設備の強化を図るなど、非常に厳しい経営環境に直面している中で、以下のような課題を抱えていると考えております。

    • 安全対策の更なる推進
    • 高品質/高付加価値製品の製造と徹底したコスト削減の両立
    • ますます厳しくなる環境・省エネルギー問題への対応
    • 製造/操業技術、ノウハウの共有と伝承
    • 設備/装置の老朽化対策

    一方で、ビックデータやIoTなど最新のICT活用により、これらの課題解決を加速させ、新たな付加価値を創出し、さらなる競争力強化につながることが期待されています。

    YOKOGAWAは、これまで最新・最高の技術と、計測・制御・情報の分野で長年培ったノウハウをベースに製品開発を続け、日本の産業基盤を支えるお客様と共に進化してきました。
    YOKOGAWAは、これまでと同様に、24時間365日のプラント安定稼働に貢献し続けると共に、お客様の新たな課題に対処し、お客様のビジネスの成長に貢献できる最良のパートナーとして、これからも努力を重ねていきます。

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